本書は、タレント、エッセイストとして活躍する小島慶子さんと、男性学の専門家・田中俊之さんが、さまざまなテーマで男の生きづらさについて議論する。
本書を読んで男の生きづらさとは何か、を考えた本でした。 仕事が辛いと言うのはなぜか、働き続けると言う事は何なのか。
<目次>
<第一章>その呪縛はどこから来ているのか
<第二章>男に乗せられた母からの呪い
<第三章>男と女、恋愛とモテ
<第四章>育児をするということ
<第五章>新しい働き方
<第六章>不自由から解放されるために
以下、印象に残ったポイントです。
「働いて、家族と生きる」当たり前のしんどさ
「働いて、家族と生きる」というごく当たり前のことがこんなにしんどい世の中は間違っています。男と女で責任をなすり合うのではなく、一緒に声を上げて言うべきときが来たのです。「こんなの、もうまっぴらだ!」って。 通勤途中でこの本を読み終えたあなたの目に、黙って痛みに耐えている満員電車の風景が、いつもと違って見えるといいな。そして静まり返ったすし詰めの車内のあちこちから「なあ、俺たちこんなに頑張ってんのに、こんなのっておかしくねえか?」って誰とはなしに言い始めたら、きっと世の中は変わると思います。それは、舌打ちして隣の人を睨みつけるよりも、ずっと建設的な怒りだと思うのです。
ごく普通に働いて、ごく普通に家族と生活したい。それが今の日本男性の働き方だと難しいと感じます。自分は子供が生まれてからも夜遅く帰宅するため、夕飯を家族といっしょに食べられない生活をしていました。なんでなんだろうともやもやしていました。この本を読んであぁ、その働き方はやっぱりおかしいよなと認識できました。
当たり前のことを当たり前にしていたらきっと疲れてしまう。男は働き続けるのか、それによって体を壊してしまうのか。
仕事も家事育児もこなすスーパーマンのイバラの道
小島 勝ち負けをはっきりさせるんですね。 田中 そう。「イクメン」の話でいえば、「社畜はダメだけれど、家事、育児もやる奴はえらいよね」という競争を始めるわけです。 小島 でも、両方ちゃんとやるのは苦しいよ。よっぽどのスーパーマンでなければできない。女がそのイバラの道を歩んできましたよ、すでに。 田中 だから小島さんがおっしゃるように評価の軸が複数あっていいんです。他人から見て価値がないことでも、自分の中に価値があると思えればいい
家事育児と仕事を両方をやりきるのはしんどいです。頑張って仕事も家事育児をしてもなかなか生活が回らない、他の家庭はどうやって共働きしているんだろう。自分が共働きで育児をしだして感じた思いです。
本を読んだりネットで調べたりして家事育児を工夫して日々を乗り越えているけれどもスーパーマンじゃないと両方ちゃんとこなすのは苦しいです。朝保育園へ子供を見送り、夕方保育園へお迎えに行く、その後は家事育児をこなす。妻と家事育児を分担していもてお互いにフルタイムで働き、平日に時間の余裕は全くありません。お迎えを行くときはいつも時間ギリギリで保育園で待っている子供に申し訳無さでいっぱいです。
夕方残務が残っていても保育園お迎えに行くために上司や同僚の目があっても帰るそのことを後ろめたく感じています。朝から晩まで働いて家事して育児している毎日頑張ってそういうスーパーマンがやっと「働いて、家族と生きる」という普通の生活を得られるというのは間違っていると思います。
それとパパの価値観は仕事だけではない、複数の価値観、評価軸があって良いだということに気づけました。どうやってスーパーマンになるのかを考えて悩んでいた自分にとって価値ある気づきでした。
今後の男性の生き方
仕事を辞められない男たち 田中 僕がどうしてこの研究をしているかという話に戻るのですが、そもそも四〇年にもわたって縛られることをなぜ男性側が問題にしなかったのかと思うわけです。これはすごい仕組みですよ。 日本では男性の「生きづらさ」についての議論は、まだ始まったばかりです。大切なことは、男性の生き方は変えられるということです。それは自分の言葉で自分の物語を紡ぐことで可能になります。
40年ずっと働きつづけることを当たり前に当たり前に思っていたけれどもそれが問題と考えていなかった。ライフシフトの本を読んで働く→学ぶ→働くの選択肢があるんだと知った。けれども家庭のある自分がそれを選択肢として取れるのか疑問に感じていた。その疑問と40年働き続けることの問題とが繋がりました。
この本を読んで共働きのもやもやしていることが言葉として認知できました。生き方の答えは出ていないけれどちょっとスッキリしました。家事育児をして毎日しんどいけどなんでだと悩んでいるパパにおすすめの本です。